フランスでの生活・仕事について

さて、今回は4月7日の記事でコメント頂き、フランスでの生活費について知りたい方がいらっしゃるようなので、フランスでの生活費と労働について書きたいと思います。

この記事の目的はフランスで留学やワーホリ、就労を考えている人に向けて労働を含めた経済的な生活感をイメージする一助になる事です。

またあくまでも経済的な生活感を掴んでもらうための記事になりますので、ビザの種類の説明や語学学校の学費等は省きます。住宅手当(APL)についても詳細は避けます。

ちなみに間接的ではありますが以下の記事でも大まかな生活費については触れています。

フランスの大学での学士取得にかかる費用について - マサルの仏蘭西滞在記

 

前置きが長くなりましたが、本題です。

私は今、南仏に住んでいて、語学学校に通いながら日本食レストランのキッチンで働いています。なので特に家賃に関してパリと比べるとかなり安いので、パリ滞在を検討してる方はご注意ください。

生活費・賃金について書いた後、総合的な収支について見ていきます。

後半ではフランスで生活するための物件・仕事の探し方を私の経験ベースで紹介したいと思います。

 

 目次

 

生活費について

私は几帳面な事にフランスでの収支はほぼ全て家計簿に記録しています。2020年-21年はパンデミックで極端に支出が減っているので2019年9月からロックダウン前の2020年の3月までの7か月の家計簿を参考に書きます。

また私は相対的に外食や旅行をあまりしないので一般的な留学生等と比べると支出が少ないですし、一般的に女性は男性よりも生活費が高くなります。

(1€=130円換算)

 

・家賃:月おおよそ400-600€(5万2千-7万8千円)

家賃相場は住む都市によって変わりますが、パリを除いた大きな都市では基本的に400-600€(5万2千-7万8千円)程度が相場になると思います。安ければ安いほど、ルームシェアだったり、中心街から離れた場所に住むことになります。或いは治安が良くない事もあります。田舎であればもっと安くなると思います。家賃の他に、チャージ料(水道代や電気代)を取られる場合がありますが、物件によってチャージ込みだったりもするので確認した方が良いでしょう。

ちなみに私の場合は家賃が410€で合計3人でルームシェアをしています。

またフランスに長期滞在する際はAPLと呼ばれる住宅補助を受ける事が出来るので、200€(2万6千円)程度を上限に補助を受けることが出来ます。大家さんによってAPL不可としている物件があったり、手続きが面倒な事が欠点です。また仕事をすると支給額が減額されます。

 

・食費:月135€(1万7千円)

一般的にどれくらいかかるのかイマイチ分かりませんが、私は平均してこれくらいの支出でした。日本食はあまり買わず、パスタやジャガイモ、野菜・果物が中心です。

フランスではスーパーに既製品があまり売っていないので、基本的には自炊になります。私は自炊が好きなのでもしかすると多少高めかも知れません。

 

・外食:月100€(1万3千円)

月に2-3回程度の外食(夜)でこれくらいになります。お酒を沢山飲んだり毎週末出かけて外食をすると倍くらいかかるので、社交的な人は200€以上かかると思った方が良いでしょう。

 

・その他の生活費:月40€(5千円)

生活用品はトイレットペーパーや洗面用品、洗濯洗剤などで、40€程度でした。女性がどの程度プラスでかかるのかはちょっと分かりません…

 

・交通費:月40€(5千円)

交通費は恐らくどこの都市でも回数券を買えば片道1€程度で都市部は移動できるので、平日毎日学校や職場に行くための交通費で考えると平日が20日として40€程度になります。フランスで働く場合、交通費は基本的に出ません。

 

・旅行:300€(3万9千円)~

仮に2泊3日として、往復の電車代100€+宿泊費2泊100€+外食5回100€で300€(3万9千円)以上かかると思います。ここにお土産や観光の費用も考えるともっとかかりますね…

とはいえフランスはバカンスと言って8月と12月に1-2週間の休暇あります。なのでアパートを中期で借りて自炊するなどすれば多少安くすることもできるでしょう。

 

・まとめ

生活費についてはざっとこんな感じです。私のケースをベースに1か月の支出を見積もります。

家賃:410€(5万3千円)

食費:135€(1万7千円)

外食(3回):100€(1万3千円)

生活費:40€(5千円)

交通費:40€(5千円)

合計:725€(9万4千円)

月10万円あればそれなりに生活は出来る事が分かります。この金額に人によって外食費や生活費が加算され、旅行をすれば+300€以上、という感じですね。

日常では外食以外にも本を買ったり、映画を見に行ったりすると思うので、その辺りも雑費も加算する必要があります。また私はフランスに来てから衣類を買っていないので、人によってはその辺もプラスでかかるかもしれないです。ちなみに衣類は日本よりも安いです。

 

 

労働契約及び賃金について

フランスは日本の様に雇用形態が細かく分かれておらず、有期雇用と無期雇用のみです。契約はフルタイムやパートタイムもありますが、詳細についてここでは説明せず、あくまでもおおよその賃金と有給休暇について書きます。

また私の経験(飲食業の労働契約)をベースに書いているので、業界や企業による違いがあるかもしれません。

一応調べた項目は参考URL(仏語)を最後に載せました。

 

最低賃金(SMIC:2021年) 額面:10.25€(1334円)/手取り:8.11€(1056円)

フランスの最低賃金は毎年更新されますので、毎年確認する必要がありますが最低賃金が1€上がるなんてことはそうそうありません。最低賃金は額面(brut)と手取り(net)で明確に行政がアナウンスしていて、どんな労働条件であっても報酬が手取り最低賃金を下回る事はありません。

また日本と違う点として、税金や社会保障費が天引きされているので、給与の支給後の手取りから個別で健康保険や住民税を払う事はありません。

 

・労働時間

法定労働時間は7.5時間でそれを超過すると残業になります。

また実働時間が契約労働時間を下回った場合、契約時間分の報酬が支払われます。例えば週20時間・月80時間で契約して実働が70時間の場合でも、80時間分の給与が支払われます。(基本的に契約時間は実働より短めに設定されると思いますが。)

 

・有給休暇

働く企業や労働時間によって変わる場合がありますが、有期・無期雇用問わずひと月2.5日の有給休暇が認められています。なので1年だと30日間(5週間)です。

 

・福利厚生

まず雇用保険や健康保険ですが前述したとおり額面の給与から天引きされ、それが手取り額になります。また契約書の時給額もこの手取り額で明記されるので意識する事はあまりないでしょう。

特に日本と違うのは交通費が出ない事です。飲食店では賄などもありますが、それも含めて手取り最低賃金を下回る事はありません。

 

・私のケース

私の場合、週20時間の契約で月80時間がベースです。なのでおよそ650€(8万4千円)程度貰える事になります。飲食だと残業もあるので実際は多めに働くためもう少し貰えますし、この他に住宅補助もあります。とはいえ生活費が725€(9万4千円)と考えるとそれなりにカツカツで、旅行は沢山働かないと難しいです。

また飲食だと最初の1ヵ月は研修で契約してくれなかったりすることもあります。実際私は1日だけ働いた後、雇用主側の都合で働けなくなった事があります(日給はくれました)…

 

◇参考URL

最低賃金(SMIC)

https://www.juritravail.com/chiffres-et-indices/smic.html

・有給休暇

https://www.service-public.fr/particuliers/vosdroits/F2258

 

物件の探し方について

渡仏する人が物件を探す場合、日本から物件を決めるか渡仏後に物件を見つけるか、いずれかになると思います。いずれにしてもほとんどの場合、日本のウェブサイトかフランスのウェブサイトから物件を探すことになります。渡仏後フランスの不動産に直接出向く事も出来ますが、この方法はお勧めしません…というのは私自身試したことがない事もありますが、私のリサーチの範囲内では手間も時間もかかる事が分かっています…

私個人的には日系の不動産を利用するか、フランス語か英語がある程度出来て高い手数料を掛けたくないなら、現地入りしてからウェブサイトやコネで物件を探す事をお勧めします。

 

・日系の不動産

これは一番手っ取り早くて安心・確実ですが、手数料を10万円くらい取られます。

知人は十数万の手数料を支払ってパリの好物件を格安で抑えていました。長期で済む場合はコスパが良いかもしれません。

これまでに幾つか調べた中だとユーロエステートという業者が良さそうです。直接利用した事はありませんが、以前見積もりをお願いした時は対応が迅速で好印象でした。手数料も良心的な方だと思います。

ユーロエステート:https://www.euestate.com/?lng=jp

 

日系の不動産に関しては日本語で調べても沢山出て来るのでこれくらいで。

 

 ・フランスのサイト

 有料のものと無料があり、それぞれ特徴もありますがここではあくまでサクっと触れます。

まず無料のもの。

La Carte des colocs:https://www.lacartedescolocs.fr/

ワンルームも探せばあると思いますが、ルームシェアが中心です。地図上に物件が表示されるので非常に使いやすいです。

 

Leboncoin:https://www.leboncoin.fr/

言わずと知れたフランスのフリマサイト。物件だけじゃなく何でも売っていますし、何でも買えます。

 

続いて有料サイト。

Appartager:https://www.appartager.com/

無料でも使えますが、見たり連絡を取ったりできる物件に制限があります。ただ私のいる地方だとあまり変化はありませんでした…

 

LOC service:https://www.locservice.fr/

私のイチオシです。大家さん側がこちらのプロフィールを見て積極的にコンタクトを取ってくれます。コンタクトが貰えるという事は「大家さんが貸したい人」なので好意的ですし、何より親切にして貰えます。

注意点として、ルームシェアの物件とワンルーム物件でサービスが別れているので、両方ここで探すと割高になる事と、私の街では物件数があまりなかったので場合によってはあまり有効ではないかもしれません。

 

・補足

こんな所でしょうか。ここでいくつか補足。

基本的に物件には家具が付いています。もちろん家具のない物件もありますし、キッチンがなかったりもするのでしっかり確認しましょう。またバカンス期間のみの短期貸しというのもあります。

フランスは9月から新学期なので8月後半から10月前半くらいはすごい勢いで物件が埋まっていきます。それ以外の時期はそうでもありませんが。

それにフランス人はメッセージよりも電話を好むので、現地で探す場合は電話をかけまくった方が良いです。メッセージはあまり見てくれないので話が流れやすいです、場合に依っては無視されます…

更に現地で物件探しをする場合、日本の様に余裕を持って決めるというよりは割と即日入居みたいにすぐ入居するのが一般的なので、物件を押さえておくことは出来ないと思った方が良いです。そういう意味では家具もありますし、日本よりは引越しのハードルが低いので、現地で1か月か2か月ほどルームシェアをしながらもっと良い引越し先を探すのもアリです。その分住所変更などの手間がかかりますが、知らない土地では住んでみないと分からない事もあるので、割と手軽に引越しできることは覚えておきましょう。

また上記で挙げた物件探しの他にも、現地の日本人コミュニティに思い切ってFacebookなどのSNSでコンタクトを取ってみるのもアリだと思います。というか上手く行けば一番コスパが良いです。

大学に通ったりするのであれば、大学の掲示板やメールアドレスに募集の告知が来たりもします。

 

以下注意点です。

・フランスでは契約書が絶対です。口頭でいくら良い条件を提示されたとしても、契約時に契約書をしっかり確認しましょう。契約書に書いてある事であとから「そんなことは聞いていない」は通用しません。

・敷金は1ヵ月分が原則で、礼金はありません。法定の敷金は1ヵ月分ですが、場合によって2-3ヵ月分を求められます。

・詐欺もあるので気を付けてください、契約前に支払いを求められる事はありません。

詐欺と思しき出来事もあったので、その時の記事も参考に載せておきます。

フランスでの部屋探しにて… - マサルの仏蘭西滞在記

 

 

仕事探しについて

私の経験ベースなので日本からフランスの就職先を探したり、フランスでの就職活動、というよりはイメージ的に現地で学生がアルバイトを探す感覚です。

また業界や雇用形態問わず英語とフランス語両方できれば仕事を見つけやすいと思います。

 

・流れ

1.CV作成・応募

CV(履歴書)を作成し、それを印刷して各所に配ります。CVの書式は日本の物とは全く違いますが、ネット上を探せばいくらでもサンプルがあります。日本みたいにギッチリ書く必要はありませんし、(少なくとも飲食業では)志望動機も必要ありません。場合に依ってモチベーションレターを求められる事もありますが、書き方は日本語で検索しても出て来るので探してみてください。サービス業でない場合は就活サイトやメールで応募する事になると思います。

 

2.面接

もしポジションが空いていて採用条件に引っかかれば電話など何らかの形で連絡が来るので、面接をして内容次第で採用となります。面接で重要なのは経験です。真面目に考えずちょっとでもやった事があれば経験として言ってしまった方が良いです。あまり慎重に答えていると逆にやる気がないと捉えられる可能性もあります…

飲食・サービス業などであれば面接の時点で採用、となる可能性が高いです。また微妙だともし採用する場合は連絡する、という形が多くなると思います。

 

3.採用

採用となれば契約書にサインをして契約完了です。口頭で「こういう条件で」という話だったとしても、契約書はちゃんと読みましょう。フランスは契約書に書いてあることが絶対なのでサインしてから「そんな話では無かった筈だ」は通用しません。日本では口頭で言われた条件と契約書の内容が一致しない事は起こり難いと思いますが、フランスでは日常だと思った方が良いです。

 

4.研修期間

これは業界にもよりますが、研修期間があります。2週間~1か月ほど契約書なしで働いて、それから実採用になります。ただしこの辺はかなりローカルルールで契約書も無かったりするので、条件をしっかり確認しましょう。

 

・補足

仕事探しのタイミングも物件と同じで、季節の変わり目が狙い時です。7-8月のバカンス期間や10月くらいの新学期後はなかなか見つからないと思います。

私の場合は20年の7月に日本食レストランを10店舗ほどCVを配りましたが、全滅でした。その後9月にリトライして、2店舗から電話を受け、うち1店舗で働くことになりました。

もちろん飲食だけでなく、平時であればホテルや観光案内所の窓口、マクドナルドやケンタッキーにも聞いて回れば、もしポジションが空いていれば仕事にありつく事は出来るでしょう。ここまで直接CVを配る事をお勧めするのは、日本の様に求人情報がネットに沢山ない事が大きいです。

ネットで完結できる日本と違って仕事探しは骨が折れますが、根気よく探してみましょう。私は同じ店に2回CVを配りました…

日本食レストランだと語学力が伸びないなんて話もありますが、今どき日本食レストランのパトロンが日本人とは限らないですし、従業員が日本人とも限りません。なのでお店で飲食して雰囲気を見てから決めても良いと思います。

上記で挙げた他に日本のウェブサイトで仕事を見つける方法もありますが、あまりお勧めしません。簡単に見つかる分労働条件が良く無かったり、それこそ日本人ばかり働いていたりします。

また大学の掲示板や知り合いのツテで仕事を見つける事も出来るので、全てをフル活用しましょう。多くのフランス人はコネで仕事を見つけます。

 

最後に

いかがだったでしょうか。

仕事探しについては結構ザックリになりましたが、何となくフランスでの生活(金銭感覚)がイメージできたのではないでしょうか…

1年滞在するのであれば100万円くらいあれば生活は出来ますが遊ぶのは難しいです…とはいえ仕事にありつければそれなりに楽しく過ごせると思います。

何度でも書きますが、フランスでは何よりも契約書が大切です。毎回しっかり読んで内容を把握しましょう。

そしてコネも大切です。出会う人全てに物件探しや仕事に探しに限らず、困ってる事があれば話してみましょう。意外とトントンと面接まで行ったり、友達が住んでいるアパートに空きがある事もあります。

公共の掲示板もよく見ましょう。物件や仕事の情報もありますが習い事やイベント、語学交流などの告知があったりします。自分で友達を募集してみたり、仕事を探している旨の張り紙をしてみても良いと思います。積極的に動けば何か開けます、それがフランスです。

 

私の経験がベースなので当然全てに当てはまる訳ではありませんが、読んだ人が少しでもフランスの生活をイメージする一助になれば幸いです。

 そんなところです。