ウラシマタロウ

お久しぶりです。

 

この度は一時帰国につき、思った事をまとめようと思って書いています。

帰国前、帰国後、そしてフランスに戻る前までの気持ちの変化です。

 

◆帰国前

そもそもなぜ帰国に至ったか、というところから始めたいと思う。

当初のフランス滞在の計画では1年だったところ、パンデミックによって伸びてしまった事が一つ。つまり、1年過ごせればそれでよっかたので、持ち物は1シーズン程度しかもっていかなかった。なので中途半端になってしまった事がある。

次に、長引く滞在で色々な精神的困難に遭遇し、その都度「(1年以上の滞在について)こんな筈じゃなかった」と思って過ごしてきた。その上、カウンセラーの人にも常々「一度帰国すると結構違いますよ」と言われてきたこともある。

以上が概ねの一時国の理由になる。

 

次に、航空券を購入してあと様々な人の話を聞くうちに、「一時帰国にどのような意味があるのか」という事を無意識に考えるようになった。

特にフランスに移民してきたフランス人や日本人の話を聞くと、「いつか母国に帰るんだ」と言ってもう数十年をフランスで過ごしている人たちがいて、自分の今の姿と重なり、自分の一時帰国について考えが固まった。

というのは、今後の人生で日本に一時帰国や完全帰国をする事は当然あるとは思うが、「こんなはずではなかった」という気持ちに一度終止符を打ち、「もう日本には戻らないんだ」みたいな覚悟を決めたいと思った。

そうする事で、フランスにいる自分の生活が、もっとフランスに根差しながら、精神の在り方としてフランス文化によりなじむ事が出来るのではないかと考えた。

 

◆帰国後

帰国後は様々な事を考えたが、特に古い友人に合っていくうち、複雑な気持ちを抱くようになった。

私は4年間日本にいなかった訳で、その間私の中の「日本」は4年前で時間が止まっていた訳だ。しかし、それが4年を日本で過ごした友人たちと会ううちに、過ぎ去った日本の4年を追体験している様な気持ちになった。

昔の彼女のことだったり、結婚して子供が出来た友人だったり...

そんなことを考えていると、浦島太郎の昔話を思い出した。

これは正にあの童話の玉手箱だな、と思った。過去を振り返ってやっと老いるような、そんな気持ちになった。

きっと人は過去を振り返った時に老いるのだと思う。

 

◆渡仏前

今の自分の気持ちは、「ついにフランスに戻るのか」という気持ちだ…

本当に帰国前考えていたような「覚悟」が出来たのか、と考えると、やり残した事は無限にある。きっとすべてやり遂げようと思ったら一生かかってしまうのかもしれない。

そう思うと、「母国を去る覚悟」なんてものは幻想なのだと思う。

人生の最初のほとんどを過ごした地を去るという決断は、そんなに簡単な事ではないな、と改めて感じた。

しかし今後友人のみならず恋人がフランスに出来た時、やはり日本を離れた自分のタマシイはフランスにあるのだろう。

 

◆フランスにて

さて、日本からフランスに戻って来て1週間が経とうとしている。

今感じている事は色々あるが、まずやっぱりフランスの方がモテるな~などと思う一方で、差別もあるし、大変な事もたくさんある。その辺はコインの表裏かな。

次に自分の生活や人生を考えた時に、それを如何に良くするかって事は自分次第であるという事。当然変えられない環境もあるが、それも全て相対的な物で、どの様に環境が変化しても生き方は変える事が出来ない。具体的なにがどうとは言えないのだが、そういうことは確かにある。

また、日本とフランス、どちらが良いか?と改めて自問した時、正直良く分からないと思った。帰国前の意気込みはどこやら、どこに住んでも私の認識的反応はそこまで大きく変わらないだろう。歳を重ねた事も無関係ではない。

 

◆最後に

一時帰国を通して、精神的に成長できたことを実感している一方で、まだまだ至らない、足りない部分もある様に感じる。

これから新学期も始まるし、力まず頑張りたい。